Technical Works

ASC Technical support site

*

業務改善について(2)

      2015/03/31

問題発見の5つのポイント

問題発見には5つのポイントがあります。

図面4

(1)目的

「何のために」行うかということです。ゴールが明確でないと方向性が定まらず以下のような事が起こります。

<手段が目的になってしまう>
目的達成のための制度作成、資料作成をすることが目的となり、できあがったら気が抜けてしまう。

<目的がすり替えられる>
問題解決のために些細なことから不具合をヒアリングしているうちに個々の対処が中心となってしまう。

<目的を見失う>
情報共有、共通伝達事項のために毎朝定例ミーティングを行うとのことだったが、形骸化してしまい遅刻常習犯を早く出社させることが本当の目的のように思えてきた。

「目的を明確にしろ」とよく言われますが、実はこれが最も難しいと感じている人も多いでしょう。途中で迷ったり、方向性がぶれるのは、殆どの場合、目的があいまいであったり共通認識がないことが原因です。そういう意味では、目的=原点とも言えます。したがって、ぶれた時は常に原点に戻れるように明文化しておく、数値化できるものは数値化しておくことが必要となります。

(2)視点

部門や立場によって、問題の見え方が変わる場合がありあす。ある部門にとっては深刻な問題が隣の部門では全く問題ではない。担当者は重大視していないが、課長は深刻に受け止めているなど。最も怖いのは、問題を問題と認識しなくなることです。立場や部門によって問題が異なって見えると書きましたが、逆に言えば立場があるから問題を意図的に隠蔽する、隠す、明らかにしないという行為につながり、最悪の場合企業不祥事などを招く結果に至ります。

(3)視野

問題を見る人によって、どこからどこまでを問題として見ているかは違います。これが視野の違いです。視野には問題の範囲設定と、問題の深堀がどこまでできるかという2つの側面があります。範囲設定を詳しく言うと、個人で解決できる範囲なのか、部門全体で取り組むのか、関連会社まで巻き込んで問題の解決に取り組むのかということになります。深堀は、現象として表れている問題を、どこまで原因に掘り下げることができるかです。どこまでできるかは、問題発見のセンスや目利き、知識量の度合いによります。深堀は問題をやたら大袈裟にすることではなく、いかに問題を全体的に捉えることができるかです。マクロをみながら、ミクロな問題を注意深く原因まで掘り下げることが重要です。

(4)時間

いつ時点の問題かということです。過去、現在、未来で考えると、昔は問題であったが今はそうではないとか、現在は問題ではないが将来大問題に発展するリスクがある、などと分けられます。時間はミスコミュニケーションの原因になりがちです。Aさんは、今、目の前で起きている問題について話しているのに、Bさんはまだ起きていない将来の問題ばかり気にしていると、話は平行線のままです。このように、問題をきちんと捉えるためには、時間の共通認識が必須で、いつ時点の話をしているか、いつ時点を問題視しているかを明確にすることです。

(5)場所

問題がどこで起こっているかということです。問題がどこで起こっているかを早くみつけることができれば、問題を早く解決できます。火事も同じで、火災発生現場がわからないと、消防車は発生現場に到着できません。また、問題の発生個所は1カ所とは限らず、いくつかが同時に起こる場合と、ある問題が発生し未解決のまま他の問題の発生原因になるという場合もあります。

なお、これらの問題発見の5つのポイントで示した項目は、お互いがお互いに影響を及ぼし合います。目的が変われば、視点や視野も変わる、などです。

【参考文献】
世古雅人、渡邊清香 「業務改善手法 入門」 技術評論社

The following two tabs change content below.

杉野良太

最新記事 by 杉野良太 (全て見る)

 - 手法

Loading Facebook Comments ...

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


画像で表示される認証コードを入力して下さい。

CAPTCHA


  関連記事

図面5_1
業務改善について(3)

業務モデリング 業務モデリングの目的は大きく次の5つにまとめられます。 (1)誰 …

図面1
業務改善について

日々行っている業務において、効率化、合理化する作業はつい後回しにしがちです。 作 …